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ドイツ語を始めたのは,高校時代に友人が独学で中国語を勉強してかなりよくできるようになっていたのに刺激を受けてのことです。自分の意志で選んだ言語をやはり独学で身に付けようと思い,書店で外国語の初級文法の本をいくつかひもといてみました。ピアノをやっていたこともあり,ドイツ語が一番親しみやすく感じられたので勉強を始めたところ,妙にきっちりと変化するところが性にあったらしく,見事にはまってしまいました。その後,進路のことでいろいろと悩みましたが,結局ドイツ語を専門に勉強する道を選びました。
最初は文法が面白かったのですが,ドイツ留学を経てドイツ語の新たな魅力を知り,また,ドイツ語を通して他者や自分,そしてまた他者との関係のありかたにも思いをめぐらすようになりました。
異文化にふれると,日本にいたころには「普通」だと思っていたことが,実は時・場所・場面に縛られた単なる思い込みに過ぎなかったことに気づかされることがよくあります。
「日本の」慣習を無視することなく,しかし,慣習に縛られることなく生きていくために,私にとってはドイツ語,ドイツ文化が必須アイテムのようです。
この写真は2010年にリヒテンシュタインを訪れた際に撮影したものです。ちなみにリヒテンシュタインはスイスとオーストリアにはさまれた小さな国。この地に降り立つとアルプスの大自然に圧倒されます。この国の公用語もドイツ語。
切手で有名な国でもありますが,歯科医療等に用いられる機器も製造するなどハイテクな一面も備えています。
写真は各国のイメージをモチーフとした牛(なぜか?牛)の置物の日本ヴァージョン。他にも(今となっては記憶があやふやですが確か)スペインやトルコ等をモチーフとしたものがありました。
日本ヴァージョンに付されたタイトルは "Geisha"。やっぱり外国人はこれに興味を惹かれるらしい。日本に遊びに来たドイツ人と京都に行ったときも,「Geisha
見たい」と言ってました。
ドイツの田舎町のスーパーでも寿司セットが売られるようになっており,"Sushi" や "Bento"
(筆者が見る限り,寿司の折り詰めを指す)という単語もドイツ語に定着した模様。
でも,日本のよさ,というか魅力はこれだけではないはず。東北大震災の折にテレビに映った日本人の精神性(慌てない,他者を思いやるなど)にはドイツ人も感銘を受けていました。でもモノではなく,日本人の精神性なるものを外国人に伝えるのはとても難しい。どうしたらよいか今でも頭を悩ませています。
ドイツ語やドイツ人のことを知るだけでなく,学生の皆さんと自分達とはどのような存在なのか考え,それを伝える方法を模索して行きたいとも思っています。